<入試データ>
配点:100点
試験時間:50分
大問数:2問
小問数(設問数):10題
◆出典
上橋菜穂子・瀧晴巳『物語ること、生きること』
あさのあつこ『かんかん橋を渡ったら』
◆問題構成
「桜蔭の国語は最高レベル」とすでに知っている方も多いと思います。
一般的に、女子校の方が国語が難しいと言われている中、
偏差値トップ校である桜蔭は小学生にしては非常に解答が難しい問題を出題します。
桜蔭の国語が難しいと言われる3つのポイント
①文章量が非常に多いこと
文章は2題合わせて、7000~8000字。
これは50分の試験時間にしては非常に多い分量です。
②記述問題が多いこと
記述問題は200字以内の字数宣言の問題が1問と、
字数制限のない問題が4問出題されました。
字数制限のない問題は、どのくらい書けばいいか難しいところですが、
枠の大きさからすると、70~100字程度が目安でしょう。
記述問題は、書くべきポイントをおさえているかで得点が決まります。
出題者が求めるいくつかのポイントをすべて記述できていれば満点です。
ポイントをすべて記述した時にちょうどいいくらいの大きさの枠にしているので、
字数制限がないからといって、簡単に省略して書いてしまうと危険です。
丁寧に言葉を尽くして記述しましょう。
③文章全体を理解していなければ解けない問題が多いこと
大問1・2を共通して気をつけなければならないことは、
傍線部の前後だけを読んで解答をしてはいけないということです。
問題文全体をきちんと把握しているかを問われる問題が多く出題されています。
はじめに文章を読んでいるときは、段落ごとに「何が書かれていたか」
要点を頭のなかでまとめて読んでいきましょう。
ただ、この時時間がかかりすぎてはいけません。
普段から、読むスピードを意識して練習するようにしましょう。
[大問1 上橋菜穂子・瀧晴巳『物語ること、生きること』]
まず大問1は、はじめ指輪物語の話から始まり読みやすいと思いきや、
「文化」について述べた大学入試レベルの難しい文章です。
分量は約2200字でそれほど長くないので、丁寧に読んでいけば内容把握も可能でしょう。
問題を解く際は、傍線部が全体の中でどの位置に引かれているのか着目しましょう。
筆者の主張を説明する部分か、例えの部分か、主張を言い換えた部分か・・・
これは傍線部の前後の言葉を参考にするとわかりやすくなります。
「例えば、~」のあとに傍線部があれば、前に述べられている部分の例えなので、
前の部分を把握し「何の例えか」をみなければなりません。
「この時、~」ののあとに傍線部があれば、前に述べられている部分の続きの説明なので、
同じく前の部分からの流れをきちんと把握しておくべきです。
そして、関連する箇所を探す時は、「どこまで探すか」も重要です。
同じ段落内、もしくは1段落前後だけみれば解ける問題が多いですが、桜蔭の問題は違います。
<ワンポイントアドバイス>
少し離れたところに、同じ話をしているところがないか、
反対の説明をしているところはないか丁寧に探していきましょう。
これは記述の大事なポイントになります。
[大問2 あさのあつこ『かんかん橋を渡ったら』]
大問2は、入試問題常連のあさのあつこの文章です。
野球に関する文章で、受験生の女子の中には、
なじみがなくよくわからないと感じた子もいたかもしれません。
しかし、それではいけません。
入試問題では様々な年代、性別の人がいろいろな経験をする文章が出題されます。
そのすべてを経験することは不可能です。
だからこそ、なじみがない、経験したことがない話題でも、
登場人物の気持ちを推しはかって、読解していかなけくてはなりません。
<ワンポイントアドバイス>
今回は約5400字という長い文章を、時間内に読み切り、記述問題を解く必要があります。
心情を表す言葉や行動、心に変化をもたらす事件やきっかけには線を引きながら読み、
登場人物の心情の変化を丁寧に追っていくようにしましょう。
桜蔭の問題では知識問題はそれほど多くない
桜蔭の国語では、知識問題はそれほど多くありません。
しかし、漢字や語句、接続詞などの勉強をおろそかにしてはいけません。
記述が非常に長く難しい分、10問の漢字の書き取りで点数を落とすのは非常に惜しいです。
桜蔭レベルの受験生は、必ず漢字の書き取りでは満点を狙ってくるでしょう。
そして、語彙力をつけることは、記述問題にも大きく影響します。
桜蔭の記述問題では、問題文から筆者の主張を推察し、
自分なりに言葉を補ったり言い換えたりすることが必要な問題が出題されます。
その時にどのくらい使える語彙があるかで、解答の質は大きく変わります。
まずは、漢字や語句の問題集はきちんと隅々まで解いておきましょう。
そのなかで、知らなかった単語は辞書で調べて使えるようにしておきましょう。
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