<入試データ>
配点:100点
試験時間:50分
大問数:3問
小問数(設問数):12題
◆出典
田中彩子『石の神』、石井光太『僕らが世界に出る理由』
◆問題構成
大問3つの構成です。
大問1が非常に長い物語文、そして大問2が短めの説明文、大問3が漢字の書き取り問題です。
大問1の物語文は非常に長く、はじめの10ページにも渡っています。
毎年、物語文・説明文合わせて8000~9000字程度となっています。
これは、難関校の中でもとても多い分量となっており、速読力が求められます。
文章の内容としては、小学生でもすらすらと読めるものになっています。
問題を解き始めてから、「どこに書かれてたっけ」と何度も見なおすことがないように、
文章を読んでいる時から線を引き、内容を丁寧に追っていくことが大切です。
◆記述中心の設問
解答用紙を見たことがある方はお分かりのことと思いますが、記述量も非常に多い問題となっています。
今年も100字以上の記述問題が2問と、字数制限のない問題が4問出題されています。
文章量も多い上、記述量も多いとなると、時間制限をふまえた練習が必要です。
ご家庭の勉強では、いくらでも時間があると思って、
ゆっくり解いたり休憩をはさみながら解いたりしているお子さんも多いと思います。
鴎友を受験する方は、時間を決めスピードを意識して練習するようにしましょう。
[大問1 物語文]
大問1は、100点満点中の64点も占める大事な問題です。
江戸時代の石屋を舞台に、二人の石工見習いの少年の成長を描いた文章です。
物語文は小学生でも読みやすいものですが非常に長いので、
その間の登場人物の心情を把握し続けることは難しいですし、読む体力が必要です。
ただ、設問は逆に心情把握の問題ばかりなので、それができれば攻略できます。
登場人物の心情の変化は、その理由とセットで丁寧におさえていくようにしましょう。
<ワンポイントアドバイス>
物語文の記述問題の難しさは、「自分の言葉で考えて書かなければならない」ことにあります。
文章中の言葉を使って答えられる問題は少ないです。
長い文章から的確に該当箇所を探し、その上で登場人物の心情やその理由を、
お子さんが持っている語彙で記述しなければなりません。
論説文のようにキーワードを使って、つなぎ合わせて解答を作る方法はあまり適しません。
普段から使える語彙を増やしておく必要があります。
練習で説いた文章の中でわからない単語が出てきたら、意味を調べ、
さらに短文を作って実際に使えるようにしましょう。
[大問2 説明文]
大問2は、若い時に海外を舞台に挑戦を始めた作者が若者に向けて書いた本です。
文体も軽く読みやすかったでしょう。
鴎友の論説文では、要約力が求められます。
「○○をふまえて~説明しなさい。」という設問を解くには、○○部分を簡単にまとめる必要があります。
<ワンポイントアドバイス>
普段から、ある文章を読んだらそれを要約する練習をしましょう。
また、あえて長い文章を選んで大事な部分を選び取って、
それをさらに短くまとめる練習を積み重ねのも良いです。
[大問3 漢字の書き取り問題]
大問3の漢字の書き取り問題は5問あります。
問題を受け取ったらはじめに、短時間で埋めてしまいましょう。
<ワンポイントアドバイス>
きちんと漢字の問題集で練習した方には解ける問題です。
合格者平均から見えてくること
今年の合格者平均は67点を超えました。
漢字の書き取り5問は満点をとり、その上で記述問題は6から7割はとれるようにしておかなくてはなりません。
速読力・記述力・要約力・語彙力の4つを意識した勉強を心がけましょう。
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