今回は「選択問題を解く方法」について国語の専門塾である「アルペ記述読解教室」の高木先生がポイントを解説してくださいます。
お子さんが選択肢問題をよくまちがえてしまうという方はぜひ参考にしてみてくださいね!
アルペ記述読解教室 髙木恭子先生
東京都武蔵野市で国語の専門塾である「アルペ記述読解教室」を運営しており、国語の指導歴は10年以上になります。「世の中に関心を持てる人」「自分が考えたこと、感じたことをきちんと伝えるられる人」に育ってほしいと思い、日々指導しています。作文や読解などの国語力、また中学受験の国語などにも対応しています。通信講座もあるので、お気軽にご相談くださいね。
「記述問題と選択問題、どっちのほう良い?」と聞くと、決まって「選択問題です!」と答える生徒さんの方が多いですよね。
どうしてかと聞き返してみると、「選ぶだけだから」というような回答が返ってきます。
しかし、実はそんなことありません。
その理由は2つあります。
1つ目の理由は、記述問題は、満点回答はできなくても、部分点を取ることは比較的簡単です!
一方で選択問題は、部分点などなく、合っているか、間違っているかの二択です。
そのため、点数の観点から見ると選択問題のほうがシビアな世界なのです。
2つめの理由は、選択問題は、出題者側が引っ掛けようと、まぎらわしい選択肢が紛れ込んでいるということです。
そのため、2つまでは絞り込めても、最後の二択の部分でミスをしてしまって、点数を落としてしまうことがあります。
そのため、選択問題は、実はみなさんが思っている以上に難易度の高い問題なのです。
しかし、選択問題は対策をすることでしっかりと得点源にすることができます。
本日は選択問題を正解するために必要な「選択問題を解く方法」を見て行きましょう!
選択問題を答えるときは、
しっかりと「理由」を考えよう!
よく、選択問題を苦手とするお子さんにありがちなのが、自分の「カン」や感覚によって「なんとなく」答えてしまうことです。
選択問題は、記述と違って、自分で答えを書くというより、用意されている答えを選ぶ問題なので、あまり考えないで選んでしまうお子さんが多いです。
そして、これが選択問題で正解できない大きな原因です。
そのため、しっかりと「理由」をもって、選択する必要があります。
また選択するときの「理由」は、文章中から判断することが大切です。
ただ、「私だったらこう思うから」「これっぽいから」などという「理由」では意味がありません。
しっかりと文章中から、選択をする際の「理由」を判断するようにしましょう。
選択問題は文章をきちんと読めば、
正解がわかる仕組みになっている
当然のことですが、選択問題は、しっかり文章を正しく読めれば、正解できるようになっております。
もちろん、出題者側はひっかけようとして、一見正解になりそうなまぎらわしい選択肢を出しています。
ただ、受験の国語で引用される文章は、もともとある作品の一部です。
そのため、問題文には載っていない文章を読まなければ解けない問題は、当たり前ですが、出されません!
つまり、問題用紙に載っている引用された文章を正しく読むことができれば、みな同じ解答にたどり着くように設計されているのです。
文章を正しく読むには、
接続語や指示語が大切になってくる
文章を正しく読むには、接続語や指示語が大切になってきます。
逆に接続語や指示語をしっかりマークして文の構造をつかむことができれば、選択問題でも自ずと正解できるようになるということです。
また、他にも
具体的には
・主語と述語の関係
・具体例の箇所
・対比/並立
・倒置・体言止め
・比喩
などにもしっかりと印をつけながら読み進めていくと文章がよりわかるようになります。
選択問題は「正解」ではなく、
「間違い」を探すこと(消去法)
選択問題で間違えやすいお子さんの特徴の1つとして「一発で正解を選ぼうとする」ことがあります。
しかし、これで正解することは非常にむずかしいです。
そのため、選択問題では、基本的には消去法をとりましょう。
ただ、このときもしっかりと本文と照らし合わせて選択肢を消去していくことが必要です。
練習で問題を解くときには、その選択肢のどこが本文と比べたときにまちがっているのかをしっかりと説明できるようにしましょう!
また、1つのテクニックとして、間違っている可能性が高い選択肢があります。
その選択肢を、今回はご紹介します!
もちろん、文章と比較して間違っていることを説明できるようにする練習もしっかりやってくださいね!
間違っている選択肢に多い3つの特徴
ここでは、まちがった選択肢に多い3つの特徴をご紹介します。
① 本文に書かれていない内容が含まれている
記号選択問題の間違っている選択肢の特徴で、一番多いパターンがこれです。
国語の文章読解問題は、必ず問題の初めに「次の文章を読んで後の問いに答えなさい」と書かれています。
つまり、本文を読んで分からない内容であったり、本文では触れられていないものに関しては、選んではいけません。
(ただし、類推できる範囲であれば問題ありません)
子供は、テストで時間に追われると、つい本文の内容と照らし合わせず、正解にみえるものを選んでしまいます。
そのため、普段の練習から「あれ? こんなこと、書いてあったっけ?」と思ったものは、必ず本文で内容を確認する習慣をつけましょう!
② 選択肢の文の一部が間違っていないか
入試問題レベルの記号選択問題において「選択肢の内容すべてが間違っている」ということは、ほとんどありません。
そのため、選択肢をまるまる見るのではなく、スラッシュ(/)を入れブロックで分けたうえで、判断するようにしましょう。
スラッシュの場所は、「読点」や文節を参考にすればよいと思います。
あくまでも、ブロックにわけて、まちがっている部分を見つけやすくするためなので、厳密に区切る必要はありません!
記号選択問題で失点の多い子は、大抵このスラッシュを引く作業をやっていません。
③ 極端な表現が使われていないか
「すべて」「必ず」「いつも」「絶対に」「まったく」などを極論表現と言います。
この極論表現が選択肢の文中で使われている場合は、まちがっていることが多いです。
そのため、選択肢を選ぶ際には、極論表現が入っている場合、要注意です…。
傍線部の前後2~3文は、
最低でもしっかりと読むこと
選択肢のひっかけとして、傍線部周辺にでてくる言葉をあえて使って、引っ掛けようとする問題があります。
意外と、傍線部の周辺の文をしっかりと読んでいるお子さんは少ないです。
どうしても文脈を理解しようとはせず、直感的に、同じ言葉が使われているからという理由で選んでしまいがちです。
ただ、これでは出題者側の思うツボです。
そのため、どんなに時間がなくても、傍線部の前後2~3行はしっかり読むようにしましょう。
また、余裕があればその段落と前の段落、そして次の段落の冒頭を読むと良いでしょう!
さいごに
ここまで選択問題の解き方を見てきました。
選択問題は正解するか、間違えるかです。
つまり、点数がもらえるか、ゼロかです。
そのため、しっかりと消去法でまちがっているものを探し、きちんとした根拠をもって選べるかが勝負になります。
ぜひ、選択問題の正答率を上げたい方は実践してみてください!
アルペ記述読解教室 髙木恭子先生
東京都武蔵野市で国語の専門塾である「アルペ記述読解教室」を運営しており、国語の指導歴は10年以上になります。「世の中に関心を持てる人」「自分が考えたこと、感じたことをきちんと伝えるられる人」に育ってほしいと思い、日々指導しています。作文や読解などの国語力、また中学受験の国語などにも対応しています。通信講座もあるので、お気軽にご相談くださいね。
この記事へのコメントはありません。