人権作文の頻出テーマ「男女共同参画に関する問題」をわかりやすく解説

男女共同参画社会とは、
「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」です。
「参画」という言葉は、あまり聞き慣れませんよね?
これは、単に「参加」するということではなく、方針の立案や決定などの「意思決定への参加」ということを意味します

簡単に言うと、「男女がお互いを尊重し合い、職場、学校、家庭、地域などの社会のあらゆる分野で、性別にかかわらず個性と能力を十分に発揮し、喜びや責任を分かち合うことができる社会」ということです。

昔は特に「男性は仕事、女性は家事」という価値観が強く根付いていて、
男女が性別に左右されずに、自由な選択や行動をすることはできませんでした。

もちろん、「男らしくなりたい!女らしくなりたい!」と思うことは個人の自由です。
しかし、無理に自分を「らしさ」の型にはめようと考えたり、それを他人に強要したり、されたり…。
となると、とても窮屈な気持ちがしてくるのではないでしょうか?

国としても、男女共同参画社会基本法が1999年に制定されました。
少子高齢化など私たちの生活をめぐる状況が変化していく中で、
「男性は仕事、女性は家庭」といった性別による固定的な役割分担にとらわれずに、
あらゆる分野でそれぞれの個性と能力を発揮できるような社会づくりが必要となっています。

徐々に、性別により何か制限されてしまうことは少なくなってきているようですが、
まだまだ、男女共同参画が実現したとはいえない状況です。

例えば、みなさんは「主夫」という言葉を知っていますか?
一般的によく言われているのは「主婦」だと思います。

「主夫」とは、家事や育児を担当する夫のことです。
夫がお家で家事や育児を担い、奥さんが主に外で働くという構図は、今の日本では珍しいことだと思います。

「家事や育児を奥さん中心にやるのが当然」という価値観を持っている人からすると、
夫が平日の昼間に子どもと公園で遊んでいたり、スーパーで買物をしていたりすると、
「ちゃんと働いていない」とか「お母さんが子供を育てた方がいい」とか、
陰口をたたかれるなどすることもあるようです。

☆ここで考えられる人権問題
主夫
・「自分が仕事を辞めて、家事や育児をした方がいい」と考えた末の決断を理解してもらえない
・自ら仕事を辞めて家事や育児をしている男性は「普通ではない」と見られてしまう
・昼間に家やその周囲にいると、「仕事ができない人」「リストラされた人」と見られてしまう
など

夫が主夫である妻
・家事や育児を夫にしてもらっていることを理解してもらえない
・母親としての役割を果たしていないと思われる
・子供や家庭に関心がない母親のように見られてしまう
など

子供
・お父さんが無職で働いていないように言われてしまう
・お母さんが子供に関心がないように言われてしまう
など

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