子どもの人権については、1989年の国連総会で子どもの人権や自由を尊重し、子どもに対する保護と援助を進めることを目的とした「児童の権利に関する条約」が採択されました。
これは貧困や飢え、戦争などで苦しんでいる子どもたちが世界中に多数いる現実をふまえたものです。
この条約は大きくわけて次の4つの子どもの権利を守るように定めています。
そして、子どもにとって1番いいことを実現しようとうたっています。
1.生きる権利
防げる病気などで命をうばわれないこと。
病気やけがをしたら治療を受けられることなど。
2.育つ権利
教育を受け、休んだり遊んだりできること。
考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができることなど。
3.守られる権利
あらゆる種類の虐待や搾取などから守られること。
障がいのある子どもや少数民族の子どもなどは特に守られることなど。
4.参加する権利
自由に意見をあらわしたり、集まってグループをつくったり、自由な活動をおこなったりできることなど。
しかし、世界各地で子どもの権利がきちんと守られているわけではありません。
例えば、子どもは誰もが教育を受ける権利を持っています。
少なくとも初等教育は、全ての人たちが無料で受けられるべきものです。
他にも、子どもに対する暴力は世界のいたるところで起こっています。
死刑や残虐で非人道的な刑罰を受けるなど、さまざまな暴力をふるわれたり、軍事組織に入れられる子どももいます。
貧困が原因で、安全な環境で暮らせなかったり、学校に通えない、あるいは親や近親者と離れて暮らさなければならない子どもがいます。
十分な医療が受けられず、助かる命も助けられず亡くなってしまうこともあります。
日本で生活していると想像できないような、過酷な環境で生活を強いられている子どもたちがたくさんいるのです。
☆ここで考えられる人権問題
貧困に苦しんでいたり、紛争地域に住んでいたりする子どもたち
・教育が受けられない
・心当たりのない罪で刑罰を受ける
・軍事組織に強制的に入れられ、子ども兵にさせられる
・危険な地域での生活を強いられる(紛争地域など)
・親や家族と一緒に暮らせない
・希望していない仕事をさせられてしまう(人身売買、児童売春など)
・十分な医療を受けられない
・衛生的に良くない場所での生活を強いられる
など
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